中古マンション購入における『広さ』とリノベで叶う『理想の間取り』
中古マンションの物件探しの際、みなさんはどのくらいの広さの物件を探しますか? 家族構成やお部屋の使い勝手により必要な広さや、希望の間取りは様々。こちらの記事では、 基準となる『広さ』や『間取り』のご紹介と、理想の間取りに近づけることができるリノベーションをご紹介します。
中古マンション購入『広さ』はどのくらい必要?
世帯人数に適した『広さ』ってどのくらいなのでしょうか? 広ければ広いほど、もちろんゆったりとした生活が送れます。
しかし、購入の物件価格や今後の固定費としてかかる税金、広ければその分リノベーションする箇所も増え、それに応じて費用も多くかかります。
こちらでは、マンション購入の際に、基準となる面積や部屋数、おススメの間取りなどをご紹介します。
◆世帯人数に見合った基準と理想の『広さ』
参考資料:参考資料『住生活基本計画における「居住面積水準」』(国土交通省)
上記の表は、国土交通省が指標として掲げている『世帯人数別の面積例(単位:㎡)』です。
『誘導居住面積水準』では、世帯数に応じて、豊かな住生活の実現をするのに必要な住宅の面積水準が提案されています。
マンションですと、『都市居住型:共同住宅居住を想定』に当たります。面積例としては、75~95㎡となっています。
一般的に3人世帯が75㎡、4人世帯では95㎡が目安とされ、実際に家族が増えたことをきっかけに、住居の住み替えをされる場合、ファミリー向けの物件の中で比較的多いタイプが『70㎡程度の3LDKマンション』です。
世帯人数に見合った各部屋の『広さ』
先ほどの、基準や理想となる『広さ』では、どのような間取りや部屋の広さになるのでしょうか?
【75㎡程の3LDK】LDKと3つの居室:家族3人を想定
(例)LDK:13畳/3つの居室:各6畳
【90㎡程の3LDK】LDKと3つの居室:家族4人を想定
(例)LDK:20畳/3つの居室:7畳・6畳・6畳
LDKとは、居間兼台所兼食堂を指し、『居室が2部屋以上の場合、10畳以上』という規定が、業界団体「不動産公正取引協議会連合会」で決められた目安です。
DKは台所兼食堂であり、居室が2部屋以上の場合、6畳以上』という目安になっています。ちなみに、『畳』のサイズは地域によって少しずつ異なりますので、あらかじめ、お住いの地域それぞれの基準を確認してみましょう。
上記の部屋数と居室の広さを述べた通り、ご家族3人を想定すると、3つの居室があれば、主寝室と子供部屋1部屋、収納部屋1部屋を確保することができますね。ご家族4人であれば、3LDKではなく、4LDKを選択することも可能です。
世帯人数に見合った、『間取り』
部屋数と各部屋の広さはイメージできましたでしょうか?
しかし、面積だけではなく、毎日家族全員が生活するうえで、快適性が左右されるのが、『各部屋や水廻りの配置=間取り』です。
良いと感じる間取りも、家族構成によって変わってきます。
間取りで考えたいこと
家族で必要な部屋数
4人家族で70㎡ほどの物件を目安に探される場合、4LDKの選択も可能ですが、物件数も少なかったり、子供が成長して独立した際、部屋を持て余してしまうことになります。
3LDKを選び、リビングダイニングやキッチンスペースを大きくすることで、家族が集まりやすくなり、自然と団らんの時間が増えるでしょう。
収納スペース
家族の部屋数も大切ですが、潤沢な収納スペースも大切です。
収納スペースが確保されない場合、既製品の家具などを購入する費用や、置くスペースにより、くつろぐ空間が圧迫されるという弊害が出ます。
ご家族で荷物がどれだけあるかによって、かつ今後のお子様の成長なども把握したうえで、少し広めの平米数のマンションを検討することも必要かもしれません。
家事動線
間取りで重要なのは、くつろぎのスペースだけでなく、家事動線も重要なポイント。
料理や洗濯など同時に家事を済ませたいものですよね。脱衣所や台所がまとめて配置されている間取りであると、スムーズに家事ができ、効率よく動くことができます。
リノベーションで理想の間取りに近づけることも
世帯人数によって、適した『広さ』や『間取り』があることはわかっていても、物件選びには、立地や周辺環境、予算、お子様がいらっしゃるご家族なら、学区や病院の有無なども、重要な判断基準です。
理想とする広さや間取りなども含め、トータルでバランスの取れた物件を見つけるのは至難の業。
しかし、リノベーションではその『広さ』や『間取り』を理想に近づける工夫ができます。リノベーションで可能な間取り変更や工夫をご紹介します。
工夫①LDK
築年数が古い物件などは、間仕切りが多く空間が狭く感じます。
家族が集まるLDKを少しでも快適にするために、隣接の部屋の間仕切りを撤去し一体化することによってくつろぎ空間を広くし、家族が集まる広いリビング空間に。
テレビを配置する壁面には、造作収納を設置することでより広くスペースを確保できます。
工夫②水廻りスペース
キッチンと脱衣所をつなげて自由に行き来することによって、同時に家事を行うことができるように家事動線を繋げたり、生活感が出てしまう水廻り空間には、造作の棚などを設置することにより、限られたスペースでも、隠す収納や機能性の高い収納で、常に片付いた状態を維持することができます。
キッチンにおいては、壁側に設置していたものを、ダイニング側に移設、独立したアイランドキッチンにするなどで、空間のイメージや家族とのコミュニケーションの取り方が変わってきます。
工夫③収納スペース
隣合わせの部屋の間仕切りを取り、収納を1つにまとめそれぞれの部屋から利用できるウォークインクローゼットを新設。
玄関に隣接している一室の一部を取り込み、シュークロークにする、など各部屋に収納スペースを作るのではなく、収納するスペースをまとめることで、各部屋に物を減らすことができます。
間取りに関するお悩み:提案と解決方法をご提案
Q1.狭いマンションでもリノベーションできる?
寝室の床を小上がりにして、床下収納を造作。布団や本など、かさばるものを入れておくことができます。
押し入れも撤去することができ、その分スペースを確保できます。洗面とトイレを1部屋にして、造作洗面台や、作り付けの棚の設置により、収納スペースをカスタマイズ。
L字のカウンターキッチンで、カウンターの幅を広くして、ダイニングテーブルを兼用することによりリビングスペースを広く確保、キッチンへも既製品のカップボードなどを置く必要が無く、狭小スペースでも開放感あるキッチンにするなど、なるべくデッドスペースを収納スペースにすることによって、既製品の家具を置く必要性を無くし、空いた空間を増やすことがポイントです。
Q2.子供の成長を考えた間取りの工夫は?
子供部屋が必要になる時期は、小学校中学年頃~大学を卒業する頃までの約12年~13年程です。
性別や年齢差によって、1部屋を仕切りなどで分けるか、1部屋ずつ設けるのかによっても変わってきますが、例えば、将来分けることを考えて、1室を広めにとり、あらかじめ入り口を2か所設けておくことにより、子供部屋が必要になったタイミングで、間仕切りを作り個室を確保する。
また、LDKに隣接する部屋の間仕切り壁を撤去し、引き戸にすることで、LDKと繋げた空間にして、子供が成長したら、独立した空間になるようにする。など、子供が将来独立し、夫婦だけの住まいになった時にも元に戻すことができるようにしておくことも可能です。
まとめ
中古マンションを購入する際に、必要な『広さ』と快適に過ごすための『間取り』をご紹介しました。同じ『広さ』でも家族構成によって活用方法や快適に感じる空間は様々です。
物件を検討する際には、どのような暮らしをするのか?家族がどう過ごすのか?年数を重ねることによって、どのような部屋が必要になってくるのか?など、あらかじめ家族で相談したうえで、物件選びをすることがよいでしょう。
完璧に思い通りの物件ではなかったとしても、リノベーションではできることがいっぱいあります。
購入時ではなくても、将来必要になった時に、どんなリノベーションができるのかを、施工会社に聞いておくこともよいかもしれません。
リノベーションでご家族それぞれの『広さ』と『間取り』を叶えましょう。