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自然素材でマンションリノベーション!上質で温もりのある空間に

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SDGsへの関心が高まっている昨今、自然素材を利用したリノベーションやリフォームにも注目が集まっています。

「マンションのリノベーションでも自然素材は使えるの?」
「そもそも自然素材って何?」
「自然素材を使うことのメリットとデメリットは?」

今回は、リフォームで使用される代表的な自然素材の種類や、メリット・デメリットについて解説します。リノベーションで自然素材を取り入れたいと検討している方は、ぜひ参考にしてください。

自然素材とは?

自然素材とは、人工的な化学物質を使わない素材のことです。
生き物や、その環境によって形成される「人の手が加わっていない」ありのままの性質ということです。
自然素材は、建築や家具・衣類・工芸品など、さまざまな分野で使用されています。環境や健康への影響を考慮する際にも、重要な要素となっています。

自然素材の種類

建築で使用されている自然素材は、数多く存在します。そして、使用する素材によって、部屋の雰囲気は大きく変わります。デザインや目的に応じて、適切な素材を選ぶことが大切です。
ここでは、リノベーションやリフォームの際によく使われる代表的な自然素材を紹介します。

無垢材

無垢材(むくざい)とは、自然の木から1枚の板に加工した木材のことです。無垢材は、木が本来持つ特性である「保温性」に優れています。無垢材ならではの風合いや肌触りの良さから、リノベーションでは「床材」として人気を集めています。

無垢材は、木の種類によっても印象は大きく変わります。
断面に年輪が見えたり、木目の模様や色合いに特徴があったりと、ひとつとして同じものは存在しません。

建材として使われる無垢材は、大きく分けて「広葉樹」と「針葉樹の」2種類です。
代表的な樹種は以下の通りです。



広葉樹は、重くて硬いので、強度があり傷付きにくいのが特徴です。一方、針葉樹は軽くて柔らかいので、傷付きやすいものの肌触りの良さと保温性の高さが特徴です。
同じ無垢材でも、木の種類によってそれぞれの良さがあります。また、経年によって色の変化を楽しめるのも、無垢材ならではの醍醐味でしょう。

珪藻土

珪藻土とは、珪藻(ケイソウ)という植物プランクトンの化石です。珪藻が死ぬと、底に沈殿し殻だけが残ります。殻の主成分は、二酸化ケイ素。そして、殻が化石化したものが珪藻土となるのです。珪藻土も、二酸化ケイ素が主成分となります。

珪藻土には、人の目には見えない無数の穴が開いています。そのため、吸水性・吸湿性・速乾性に優れています。また、消臭効果や耐火性にも期待できます。
バスマットやキッチングッズなどでよく目にする珪藻土ですが、建材としても注目されています。珪藻土が、建材としてよく利用される場所は「壁」です。見た目や肌触りはざらざらしています。

注意しなければいけないのが、「珪藻土は珪藻土のみでは固まらない」ということ。糊や接着剤などの、結合剤を使用しなければいけません。結合剤にも、天然のものと化学物質が含まれているものがあるので注意しましょう。
また、使用する結合剤によっては、珪藻土の穴を塞いでしまうことも考えられます。穴が塞がってしまうと、珪藻土の特性が生かされません。
これらを踏まえて、検討することをおすすめします。

漆喰

漆喰とは、消石炭(炭酸カルシウム)を主成分とした自然素材です。日本の伝統的な家屋にも使われている建材なので、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
石炭のルーツは「サンゴ礁」です。サンゴ礁が長い年月をかけて隆起したものを採掘したものが原料になります。

漆喰は、内壁・外壁・天井などに利用される建材です。
ホコリやゴミが付きにくく、耐火性に優れています。また、抗菌作用や消臭効果といったメリットもあります。

珪藻土と似ている部分もありますが、主成分や仕上がりの特徴、効果などが異なります。漆喰は、均一なツルッとした意匠性のある仕上がりになります。
また、施工の際は熟練したプロの技術が求められるため、割高になる傾向にあります。

い草

い草は日本ではなじみ深い、畳やござの原材料です。い草は多年生植物で、湿地や浅い水中に生えています。何本もの細い茎が束になって伸びていて、この茎の部分を乾燥させて繊維を取り出し加工されます。

耐久性や通気性に優れており、湿気を吸収し放湿してくれます。また、空気浄化作用もあるので、消臭効果も期待できます。い草の独特な香りが、和の雰囲気を演出してくれるでしょう。
畳やござは、素足で歩いたり寝転んだり、直接肌に触れることが多い自然素材です。温かみがあり肌触りも良いため、近年では部屋の一部にい草を取り入れるなど、再度注目されている素材です。

い草は、和の文化や、伝統的な住まいにおいて重要な役割を果たしてきた素材でもあり、再生可能な資源としても知られています。特徴的な風合いや使い心地が、多くの人々に愛されています。

天然リノリウム

天然リノリウムとは、亜麻仁油を主成分とし石炭石・木粉・パインレジン(松脂)・コルク粉などの天然素材を混合して作られた建材です。主に床材として使われており、病院や学校などの床などにも広く使われています。

天然リノリウムは、耐久性や耐火性、抗菌作用があるのが特徴です。発火温度が高いため、簡単には燃えません。また、傷や摩擦に強いため、家具を移動した際などの床の傷やスレを防ぐ効果が期待できます。
リノリウムの原材料である亜麻仁油は、酸化する際に抗菌性や抗ウイルス性を発揮すると言われています。

リノリウムの価格はやや高めで、天然素材のため流通量も多くありません。しかし、SDGsへの関心の高まりから、リノリウムは環境にやさしい素材として一般住宅の建材としても再注目されています。



自然素材を利用したリノベーションのメリット

健康的に暮らせる

自然素材を利用する大きなメリットは、体への優しさ。
化学物質の放散が少ないため、ホルムアルデヒドの発生を抑えることができます。シックハウス症候群やアレルギーの原因となるリスクを低くできます。
また、使う自然素材によっては調湿能力が高いので、快適な室内環境で過ごせるでしょう。

環境にやさしい

自然素材は、再生可能な資源です。
製造や廃棄のエネルギー消費や廃棄物の発生量が少ないため、環境への負荷が軽減されます。
自然素材を使うことで、断熱効果や調湿効果を期待できます。住環境を向上させることによって、エアコンの使用を控えることにもつながるので省エネにもなります。

変化を楽しめる

自然素材は、素材そのものを利用するので、経年による変化を楽しむことができます。
色の変化や、傷さえも楽しみのひとつになるかもしれません。次第に雰囲気が変わり、住めば住むほど愛着のある住まいになるでしょう。



自然素材を利用したリノベーションのデメリット

メンテナンスが必要になる

メンテナンスが必要なのは、一般的な住宅も自然素材を使った住宅も同じです。
また、使う素材や施工方法によってメンテナンスの方法は変わります。自然素材を使った住宅でも、自分でできるメンテナンスも多くあるので、一概にデメリットとは言えません。
かえって、自然素材を使うことによって大きなメンテナンスが不要の場合もあります。長期的に考えれば、メンテナンス費用を抑えられる可能性もあります。
メンテナンス方法はあらかじめ確認しておきましょう。

コストが高い

良い素材を使用したり高い技術を必要としたりする場合、当然コストも高額になります。
しかし、自然素材を使うからといって必ずしも高額になるという訳ではありません。自然素材をどのようにリノベーションに取り入れるかで、コストを調整することも可能です。
こだわりたい部分と予算を施工会社に相談してみましょう。

施工期間が長くなる場合がある

リノベーションの施工期間は、短いに越したことはありません。しかし、こだわりの素材を使って納得できる仕上がりにするためには、多少施工期間が長くなることも覚悟した方がいいかもしれません。
特殊な材料を調達したり、素材を作ったりするのに時間がかかることもあります。



まとめ

自然素材は、独特の風合いや温かみなど、さまざまな魅力を長い年月をかけて楽しむことができます。
リノベーションに取り入れたい場合は、それぞれの特性を知り、地域の環境や自身がこだわりたい箇所など、適材適所の素材を選ぶことが大切です。
プロのアドバイスを受けながら、どのような素材を住宅に取り入れるのか検討するのもよいでしょう。
メリットやデメリットも考慮したうえで、心地よい住空間を手に入れてください。

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